過去記事
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 16人

2023年12月03日

2023年度 第4回親子お遍路ウォーキングのご報告

2023年12月2日(土)に第4回親子お遍路ウォーキングを開催しました。
親子お遍路ウォーキングは、親子で一日お遍路体験ができるイベントです。
2022年度は西讃札所を巡り、2023年度は東讃札所を巡った親子お遍路ウォーキングもいよいよ今日で一国参り結願です。

第4回は親子9組とスタッフの総勢48名で、87番長尾寺~88番大窪寺まで約15.6kmを歩きました。
簡単に当日の様子を紹介させていただきます。

9時 長尾寺境内集合。受付の後、武田理事による進行で出発式。

福田理事によるルートの注意点説明


北山理事による見所紹介

庄野理事によるラジオ体操とストレッチ。今回は一番長距離を歩くのでしっかり身体をほぐしておきましょう。


集合写真
風が冷たかったですが、清々しい青空が広がりウォーキング日和となりました。


福田理事より長尾寺本堂やラジオ塔の解説。


長尾寺は、静御前が髪を納めたとされる静の剃髪塚がある札所としても有名です。
本尊は聖観世音菩薩。度重なる火災でも難を逃れることから松平頼重公から「当国七観音随一」と指定され祀られています。

仁王門前の2基の「経幢(きょうどう)」は国の重要文化財に指定されています。
経文を刻んだ石柱で上に八角の笠と宝珠がのっています。
鎌倉時代の元寇の役に出征した将兵の霊を慰めるために建てられた供養塔です。


長尾寺に入るとおはぎと書かれたのぼりを見かけると思いますが、納経所でおはぎを販売しています。
珍しい甘納豆入りのおはぎです。餡子入りではなく甘納豆が散りばめられています。
甘すぎずペロッと食べられます。ぜひ長尾寺に行かれる方は購入してみてくださいね。

さぁ、休憩場所のおへんろ交流サロン目指して出発!
歩道がなく、交通量が多いので一列で車に気を付けて歩きます。

横断歩道では旗を持ったスタッフが誘導します。いつもありがとうございます!

「中務茂兵衛道標」の解説
中務茂兵衛氏は遍路道に道標を220基余り建立し、四国遍路の発展や遍路道整備に多大な貢献をしました。

年月が経ち石柱の汚れが目立ったので、石柱清掃ウォーキングをしてもいいなぁと撮影しながら思いました。

10時40分「高地蔵」
高さ約4mにあるお地蔵さま。川の氾濫でお地蔵さまが流されないように高い場所へ祀られているそうです。
結願を前に行き倒れとなったお遍路さんや先祖の霊を供養する「流水灌頂法要」が毎年3月13日に営まれます。
地元の方が大切に受け継ぎ、さぬき市無形民俗文化財に指定されています。

馬の墓。昔は荷物の運搬などを担ってきた馬。大切に手厚く葬っていたことがよく分かりますね。


カメラを向けるとピース。今日も子供用菅笠大活躍です。


11時10分 おへんろ交流サロン到着
交流サロンでは、第2回に続き高松東高等学校の生徒さんと教頭先生が出迎えてくれて、一般のお遍路さんと当イベント参加者へお接待をしてくれました。

学校のイメージキャラクターであるお遍路さん姿のハナミズキちゃん。

生徒さんと教頭先生からの優しい言葉とお菓子で疲れがとれました。

そして、第3回に続き亥子の会からもお接待を受けました。

柿、温かい飲み物、子供達にはお菓子のプレゼントをいただきました。
いつも元気でパワー溢れる亥子の会のみなさま。明るく参加者へ声をかけて労い励ましてくれます。


みなさんへ代表の子供からお礼の言葉。

事務局長から感謝状をお渡ししました。
心尽くしのおもてなしありがとうございました。



おへんろ交流サロンの片桐館長が施設や展示室、大窪寺道についてお話してくれました。

年間約1万人の来館者を数えるおへんろ交流サロンはお遍路さんの休息の場でもあり、地域住民の交流の場でもあります。
「へんろ資料展示室」には、江戸時代の紀行本や古地図、納札、古い納経帳など貴重な資料が展示されています。
また当NPOの事業である「遍路大使任命書」「自転車遍路大使任命書」を授与しています。
片桐館長、おへんろ交流サロンスタッフのみなさまいつもありがとうございます。

さぁ、大窪寺に向けて花折峠道を進みます。

「武田徳右衛門道標」の解説
愛媛今治出身の武田徳右衛門は立て続けに我が子を亡くしたことをきっかけに遍路をはじめ、100基の道標を建立したとされます。
この道標は長方形ではなく自然石。上部に弘法大師が刻まれ、次の札所への距離が明記されているのが特徴だそうです。
香川県内に現存する13基のうち大窪寺道に3基あるそうです。

途中の景色がきれいな場所で一枚。


13時30分 峠を下り県道へ出た所で国指定史跡「大窪寺道」へと進みます。
大窪寺道は至る所に片桐館長が整備した看板があり安心して歩くことができます。


ずっとアスファルトを歩いていたので「土がふかふかしてる~!歩きやすい」と子供達は大喜び。
所々残る美しい紅葉を見ながら進みます。


国指定史跡の大窪寺道は長尾寺から大窪寺への15.6キロの区間のうち1.5キロの区域です。
国道・県道が整備された為、細切れになっていますが、未舗装の古道は歴史的な面影を残し、道端には道標・丁石・遍路墓等の貴重な石造物が数多く残っています。

14時15分 天体望遠鏡博物館で小休憩とストレッチタイム


柔らかな日差しが降り注ぐ竹林の道。
私は遍路道の中でもここの雰囲気が特に好きなのですが、同じ意見の参加者のお母さんがいてお気に入りの遍路道話で盛り上がりました。


大窪寺道には遍路墓が多くあります。地元の方からの究極のお接待ともいわれる遍路墓。
結願目前で命を落としたお遍路さんの無念さを想い子供達と手をあわせました。



これまた雰囲気のいい十五丁、十六丁石の遍路道を歩き


16時 大窪寺へ到着!

大窪寺の参拝では、全4回なんとか大雨にならず、参加者スタッフにケガかなく完歩できたことを感謝しました。

解散式
香川県全札所を巡ったお子さんに「子供遍路大使任命書」の授与式をおこないました。

「疲れたり、ばてたりもしたけれど、友達と一緒に頑張って香川県のお寺を全てまわれました」と喜びを話してくれました。

ぜひ、このイベントで経験した四国遍路の魅力をたくさんの人に伝えていただけたらと思います。

子供達の感想発表

「お接待が嬉しかった」
「お寺のことなどが知れて勉強になった」
などそれぞれに思ったことを話してくれました。

半井理事長挨拶


記念撮影。全4回おつかれさまでした!


これで今年度の親子お遍路ウォーキングイベントは無事に終了です。
初めましての方も、何度も参加いただいている方もご参加ありがとうございました。
また道中子供達を見守りいただいたスタッフのみなさま
心温まるお接待でおもてなしをいただいたみなさま
このイベントを支えて下さり、ありがとうございました。
この出会い、ご縁に感謝の気持ちでいっぱいです。

このイベントがお遍路の歴史、人の優しさ、おもてなしの心を知る、また、親子の絆を深めるきっかけとなれば幸いです。
来年度は9月頃から西讃を巡る予定です。

最後に今回残念ながら体調不良でご参加いただけなかったみなさま。一日も早い回復をお祈りしています。
また来年度のご参加お待ちしていますね!

みなさままたお会いしましょう!
ご覧いただきましてありがとうございました。   

Posted by 遍路とおもてなし at 11:39親子お遍路ウォーキング